米ドル利上げ2ー利上げによる影響

実行されるのは
今月9月とも12月とも言われている
米ドルの利上げ。

実際に利上げとなったら
どのような影響があるのだろうか?

利上げは金融の
引き締めとも呼ばれ、
加熱している景気を減速させたり、
株式や不動産のバブルを
抑制するのが第一の目的である。

一般の消費者は
この時期は買い物などで
使ってしまうより預金をして
利息を得ることを好むかもしれない。

借り入れ金利が高くなるので
ローンを組んで不動産に投資したり、
企業が融資を受けて設備投資を
したりという機運が削がれることになる。

いろいろな場面で
モノが売れなくなるので
物価上昇は落ち着いてくる。

ディスインフレという現象である。

安全資産である
預金の金利が高ければ、
リスクをとって株式市場で運用する
メリットは相対的に低くなるので
株式市場から資金を引き揚げて
銀行預金をする人が増えて
株価の上昇には歯止めがかかる。

企業の
借り入れコストも上昇するので
業績にもマイナスの影響があり、
ファンダメンタルズの面からも
株価の下落要素となる。

国債や社債など債券は
通常銀行預金よりリスクが
高いので金利も高いが、
預金金利が債券の金利に近づくと
債券保有の妙味が薄れるので
それを売って預金に資金が向かう流れもできる。

債券は満期に償還される
金額が決まっているので
売られると価格が下がり、
結果債券の金利(長期金利)が
上昇することになる。

つまり利上げというのは
株、不動産、債券、商品等
すべての金融商品の下落要因になるのである。

米ドルは世界で
もっとも普及している通貨(基軸通貨)なので、
その影響は米国内だけにはとどまらない。

アメリカは
2008年のリーマンショック以降
そのダメージからの回復を図るために
ゼロ金利政策を取るとともに
QEと呼ばれる金融緩和(米ドルの増刷)を
継続的におこなってきた。

世界で使い勝手の良い米ドルが
低金利で調達できるという環境の中で
機関投資家やヘッジファンドなどがドルを借りて、
より高金利の新興国や資源国の
通貨や株式、不動産、金や原油等の国際商品に
投資をするという流れができた。(ドルキャリー取引)

借りたドルは
そうした新興国の通貨に
両替(ドル売り)されて
投資に回るのでドル安相手国通貨高となり、
その国の株式や不動産価格が
押し上げられることになる。

例えば近年
東南アジアなどの
株式や不動産はバブル気味に
上昇していたが米ドルの低金利が
大きく影響しているのである。

利上げになると
この逆の動きが起こると考えられる。

国際資本は投資資金を
米ドルに戻して返済や預金に
回すことになるので
これまで投資対象になっていた
地域の通貨、金融商品、不動産は
下落する可能性が高い。

そして買い戻された
米ドルの為替高が進むのである。

アメリカが利上げに
踏み切ると金融商品の運用で
利益を挙げるのは一時的に困難になる。

だが、
その一時期を過ぎれば
金融市場は必ず回復する。

現物株の取引であれば
一旦手仕舞い現金化して
下落時に再び参入するというのも良い。

しかしこれも簡単なことではない。

利上げ観測だけが
原因とは言えないにしろ、
世界の金融市場はかなりの
下落をしており
現物を扱っていてもすでに
損失を負っている人は少なくない。

また、
底で拾うというのも
用意にできることではない。

その時に蔓延しているのは
どこまで下がるかわからないという空気であり、
通常の人が参入できる雰囲気ではないからだ。

投資の面では
何をするにも判断が難しいときである。

この判断を排除して
ある意味心安らかに資産を形成する手法が

「ドルコスト平均法」

かもしれない。

金融市場が
上昇しているときも
下落しているときも世界の
様々な資産にひたすら一定額を投資する。

市況が悪いときには
資産全体も縮むが、
一方で底値も徹底的に拾ってゆける。

そして状況が改善すれば
その保有資産も一気に回復する。

ただ、
下落ダメージを最小限に
留めるのは重要なことである。

それが今の私自身の
一番の課題でもある。

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