BVI法人は
BVI(英国領ヴァージン諸島)で
登記される法人で、
1.会計監査、税務申告の義務がない
2.ケイマン、バミューダ、マン島など他のオフショア法人に比べ、維持コストが安い。
3.登記内容の機密保持性が高い
4.BVI域外での取引から発生した利益は完全非課税
という特徴を持っている。
このうちBVI域外で
発生した収益に対して非課税である、
いわゆるタックスヘイブンであるという部分に
関連してかつて日本人の間でも
節税目的でBVI法人を設立するケースが多かった。
日本居住者は海外で発生した
ビジネスや投資の利益に関しても
日本で確定申告をして納税をする義務がある。
この在外利益を節税するための
ひとつの方策としてオフショア法人を設立して
その会社の名義で投資や取引を行う、
という形が有効と考えられていたのである。
例えばBVI法人を設立して、
従来中国から日本に輸入していた
ビジネスをそこを経由して
中国→BVI法人→日本という三角貿易の形に変える。
そして利益の多くをBVI法人
に代表されるようなオフショア法人に残し、
日本には少ししか残さない形を採れば、
理論的にはBVI法人へ移行した部分にかかる
日本の法人税が節税できるわけである。
だが現在は日本でも
そうした法人税のない(もしくは著しく低い)
オフショア法人の実質的オーナーが
日本人あるいは日本法人であれば、
オフショア法人に留保された利益に対して
みなし課税をするようになってきている。(※タックスヘイブン税制)
(※)居住者又は内国法人等によって
その発行済株式等の50%超を直接又は
間接に保有されている外国法人(外国関係会社)で、
軽課税国とされる法人税率が20%以下の国
又は地域に所在する特定外国子会社等の課税対象留保金額を、
日本の法人所得とみなして合算課税する制度
(措置法66条の6、措置令39条の14)
また、
BVIを含むオフショア法人は
その機密性などから反社会的組織の
マネーロンダリングなどの場として
利用されることも多く、
2001年の同時多発テロ以降
アメリカを中心としたOECD諸国では
それらに対する規制や情報開示の強化を
活発化させており、
以前存在したメリットが
徐々に失われているのは確かだ。