会社勤めの
サラリーマンにとって
結構重要な要素に
「雇用形態のヒエラルキー(上下関係)」
ってのがあるよね。
部長とか課長とかっていう
役職の区別ではなくて、
正社員とか契約社員とか、
要は会社にどのような形で
雇われているかってこと。
正社員、契約社員、派遣社員、
現地採用社員、パート・アルバイト。
今風にいうと、
正社員が正規雇用で、
それ以外が非正規雇用ってところかね。
正規雇用の正社員は
それ以外の雇用形態の人たちを
どこか自分たちより下に見ている。
「そんなことないよ」
と心から思っている人もいるかもしれんが、
「確かにそういう部分がある」
と自覚している
正規雇用の人の方が
ほとんどなんじゃないかな。
一度、自問してみると良い。
そう自覚している
正規雇用も決して悪気が
あるわけではない。
僕は以前に働いていた会社で
上海法人の現地採用社員として雇用されて、
その後本社に転籍して正社員になった
という経験があるから、
この辺りの事情は
どちらかしかやったことのない人より
よくわかるのさ。
現地採用社員のときは
正社員より低く見られていると感じていた。
ひらたく言えば、
コンプレックス(劣等感)があった。
誤解のないように言っておくと、
俺の周囲にいた人たちは好意的だったし、
仕事上も尊重してくれていたよ。
だが、どこか
「自分を脅かす存在ではない」
とか「立っている位置が違う」という
余裕を前提としての好意だった気はするよ。
それが勘違いでないことは
非正規雇用から正規雇用に
「昇格」したときにはっきりした。
正規雇用の社員と
肩を並べることになり
それまで彼らに抱いていた
コンプレックスは無くなった、
と同時に他の非正規雇用の人たちに対して
「余裕」や「優越感」が俺の方に生まれたね。
もちろん決して悪気があるわけではない。
他の人より優位な立場に居たい、
優越感を持っていたい、というのは
人間にデフォルトで備わっている欲求さ。
社内では、
より影響力のある正社員が
「正規は非正規より上」
という空気があることを望み、
それが大勢を占めるいうのは仕方のないことだよ。
だが、そんなのは
ある程度成功した事業主から見れば
まったく微小な差でしかない。
いや、もはや思いを
馳せることすらない瑣末なことだよ。
非正規雇用の年収300万円で
正規雇用の年収が500万円なら、
ビジネスを上手に運営している
年収3,000万円の事業家がそう感じるのが
自然なのは簡単に想像できるだろう。
会社員にとって結構大きな
正規・非正規の差も経済社会全体の
それに比べれば実に取るに足らないものさ。
「その余裕や優越感は”違う”から」
特に正規雇用の人は
このことを知っておいて欲しいね。
もし余計なものを見ずに
その小さな優越感の中に
埋没してしていたいのなら止めやしないけど、
今より上を目指す気持ちがあるならね。
実は僕自身も
今は会社員だった頃を
大きく上回る収入があるけど、
自分で稼げるようになるほどに
それより上の世界がどんどん見えてきて
自分がいかに雑魚(ざこ)であるか痛感してるのさ。