2015年下半期、米国シカゴの不動産市場

アメリカ、イリノイ州シカゴ市。

世界的な経営コンサルティング会社、
A.T.カーニーが発表している
グローバルシティインデックスで
2015年は世界第7位にランクされている。

グローバルシティインデックスは、

ビジネス活動
人的資源
情報流通
文化的経験
政治的関与

という5つの要素を総合的に評価して
世界125都市の国際性をランキングにしたもの。

シカゴは
フォーチュン500社のうち31社、
航空会社のユナイテッドや航空機メーカーの
ボーイングなどをはじめとする上場企業500社余りが
本社を構えている経済都市であり、
商品や金融の先物を扱う
シカゴマーカンタイル取引所や
オプションを取引するシカゴ・オプション取引所が
ある金融都市でもある。

2030年までには
人口1,000万人を擁する
巨大都市圏(Megacity Region)に
なることを目指しており、
企業の転入や拡大により新たな
10,000人の雇用と28億ドルの投資を見込んでいる。

[シカゴの経済指標]

都市圏総生産(GMP):USD6,100億(全米第3位)
一人当たりの収入:USD49,071
失業率(2014年11月時点):5.6%
人口増加率(2010年4月から2014年7月):1.0%

[シカゴの不動産指標]

※アフォーダビリティ比率(Affordability Ratio):3.6
持家率:45%
全住宅における集合住宅の比率:71%
空室率:4.2%
賃貸料の年間上昇率(2015年第2四半期まで):3%

※アフォーダビリティ比率は
年間世帯所得に対する住宅価格の倍率のことで、
この比率が低いほど住宅が買いやすいことを示す。
ちなみに東京は4.9、香港は17。

[シカゴのマクロ経済外観]

シカゴの都心部は2014年9月までに
専門職20,000ポストを含んだ
合計40,000ポストの雇用が増加している。

シカゴのCBD(商業中心地)では
2014年時点で542,000人が就業しており、
この数値は1991年以来最大である。

USD3億2,000万を投資した
デジタル加工の設計実験拠点の建設で
シカゴは今後先進的な加工業の中心地となる。

シカゴオヘア空港が決めた
貨物センターへのUSD2億の投資は
10,000以上の雇用を創出し、
オヘア空港は世界最大の航空貨物取り扱い拠点となる。

USD2,500万を投資した
バス交通の高速化・時短化システム
(Bus Rapid Transit System)が
2015年に稼働し、通勤の利便性が飛躍的に向上する。

シカゴは海外からの
直接投資(FDI-Foreign Direct Investment)で
3年連続全米1位。

直接投資はシカゴに
4,800ポストの雇用を生み出しており、
これは米国の都市圏では2番目に大きい数字である。

特に科学技術系の雇用は
2009年から2014年に16%伸びており、
これはシカゴの全体雇用増加の平均の2倍である。

有名な食品会社であるConAgraは
700名の従業員とともに本社をシカゴに移した。

レストランデリバリープラットフォームの
GrubHubはシカゴ域内での本社機能を79%拡張し、
1000人分の雇用を創出する。

[シカゴの不動産市場]

アメリカの不動産価格の主要指数である
S&Pケース・シラー・全米住宅価格指数は
2年連続でのプラス成長を記録しており、
今年は3年目の継続成長が確認できている。

シカゴが位置する
クックカウンティの不動産価格は
全米でトップ20の人口を誇る大都市圏の中で
3番目に割安であるとされている。

米国の主要都市の中で
シカゴは2008年の金融危機前の
不動産価格のピークとして比較して
最も割安に留め置かれている。

(ケース・シラー・全米住宅価格指数は
現在において2007年のピークよりも25%程度低い状態)

ビジネス情報サービス会社大手の
コアロジック(CoreLogic)はシカゴ地区の
ケース・シラー・全米住宅価格指数の
一世帯住宅の指数は4.2%伸びると予想している。

アメリカの主要都市の中でも
シカゴの不動産価格は2008年の
リーマンショック以前の最高価格から
かなり低い位置で留め置かれており、
上昇余地が大きい。

アメリカの不動産価格の主要指数である
S&Pケース・シラー・全米住宅価格指数によると
2007年のピークよりまだ20%程度低いレベルにある。

シカゴの平均賃貸利回りは
米国の主要都市のそれと比べて突出して高く、
約7.9%を記録している。

ちなみに
マンハッタンの平均賃貸利回りは2.7%、
ロスアンジェルス5.5%、サンフランシスコで5.9%、
ボストンは5.7%である。

[不動産売買と保有に関わるコスト]

シカゴにおける不動産売買と
保有に関わる税コストは以下の通り。

〈購入時〉
不動産譲渡税:0.75%
モーゲージレコーディング税:0%

〈保有時〉
所得税:13.75%
固定資産税:1.72%

〈売却時〉
不動産譲渡税:0.45%
キャピタルゲイン税(CGT):18.75%

イリノイ州は域内の税効率を向上を図って、
2015年に所得税を5%から3.75%に引き下げた

ちなみにニューヨークでは、
不動産譲渡税:購入時と売却時にそれぞれ1.825%
モーゲージレコーディング税:2.25%

カリフォルニアでは所得税と
キャピタルゲイン税の合計が25%以上。

テキサスでの固定資産税は1.81%である。

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