一国における不動産価格のベースアップとバブルの違い(1)

不動産価格には

「ベースアップ」と「バブル」

がある。

最近、強く意識するようになった感覚だ。

ベースアップ = ある国の不動産における確固とした上昇部分
バブル=同じく不動産の上昇ではあるが一時的なもの

ちなみにこの

「ベースアップ」

は僕が勝手につけた言葉である。

※ちなみに一般的にベースアップは
本来給与の基礎部分の上昇のことをいう。
いわゆるベアのことだがこれも日本流の造語らしい。

貧しい状態の国が経済成長を遂げると
土地の価値が上がり、不動産価格が上昇するが
その値上がり部分には後々下がる部分と
それ以上、下がらない部分とがある。

その下がらない部分をベースアップと名付けた。

例えば日本の場合、
地価公示が始まったのが1970年で
そのときの価格レベルを100とした場合、
1985年頃には400程度に達した。

http://www.nli-research.co.jp/report/shoho/2006/vol42/syo0606c.pdf#search=’日本+地価+推移’

この15年の間に
日本の不動産価格は
4倍になったのである。

さてそこから
日本の不動産価格は短期間に
急激な上昇を見せる。

1990年頃には約1000に達した。

1970年の10倍、
1985年の2倍以上になったわけだ。

バブル経済による地価上昇である。

日本の地価はこの頃まで上がり続けた。

「土地神話」

不動産を買えば必ず値上がりする、
という今となっては文字通り神話のような
超現実的なことが本気で語られていた。

ところが1992年以降今日までに
バブルで値の上がった部分は奇麗に無くなって、
現在はほぼ1985年頃の水準で安定している。

空のビールジョッキにビールを注ぐと
途中から泡が増えてきてジョッキを満たすが
しばらくすると泡の部分は無くなり、
液体の部分だけが残る。

それ以上放っておいても中身は減らない。

不動産価格の
上昇も同じようなもので、
二つの種類に分けられると思うのだ。

つまり
1970年から1985年の間に
上昇した日本の不動産価格は
バブル崩壊後も残る
確実な価値の上昇(ベースアップ)であり、

1986年以降
一旦は上昇したが今はもう
無くなってしまった部分はバブル、

という具合に、である。

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投資家として、そしてFA(ファイナンシャルアドバイザー)として海外で20年間生き抜いてきた玉利将彦が独特の視点から語る海外投資の極意

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