「ブリスベン(Brisbane)」
はオーストラリアの東部、
クイーンズランド州の州都で
220万人の人口を擁する。
オーストラリア国内では
3番目の規模を要する都市で、
2014年11月にG20のサミットが
行われたことでも記憶に新しい。
オーストラリアはもともと
銀、銅、ボーキサイトなどの
鉱物資源の生産地として世界トップクラスの
生産量を誇っているが、
とくに2015年からは
AUD600億(※約4,500億円)を投じた
プロジェクトであるクイーンズランド発の
LNG(液化天然ガス)の輸出が始まり、
これがオーストラリアのLNGの輸出国として地位を
世界4位から2位に押し上げるとされている。
※AUD1=約JPY90(2015年3月時点)
その経済活動の
中心となる都市がブリスベンだ。
2003年から2013年の
ブリスベンの域内総生産(GRP)の
成長率は実績ベースで平均4.2%/年。
ちなみに
オーストラリアの
同期間の経済成長率は3%なので
全体を大きく上回っている。
不動産の
投資管理会社として世界的に有名な
ジョーンズラングラサール(JLL)は
ブリスベンを
「最も成長している成熟都市 (Fastest-growing mature city)」
としている。
同社は今後6年にわたって
ブリスベンは5%程度の高い成長率を
記録するだろう、とつけ加えている。
その経済規模は金額ベースで
現在のAUD1,350億から
2,031年にはAUD2,170億になると
予想されている。
そうした成長の最中にある
ブリスベンは人口増加率も高く
2012年から2013年の間に2.1%を記録している。
これはオーストラリアの
主要都市の中でもっとも高い。
とりわけ
20歳から34歳の年齢層の
人口増加率は8%以上を記録しているのは
特筆すべき点だろう。
こうした若い世代の
労働人口が増加しているという要素は
今後の不動産市場の活性化につながる。
すでにブリスベンでは
住宅の供給が間に合っておらず
現在10,000部屋以上の供給不足がある状態で
物件価格、賃貸価格ともに上昇中である。
2015年における
平米(SQM)あたりの販売価格が
5%から8%ほど上がると見込まれており、
空室率も2014年12月時点で2.7%と非常に低く、
賃貸価格も継続して上がっている。
人口伸び率のもっとも高い
20歳から34歳の人たちの傾向として
郊外の一軒家より市内中心部の
アパートを好む傾向にあり、
またブリスベンの人口の
20%を占めるベビーブーマー
(1940年代後半生まれの人々)も
子供が独立したあとのコンパクトな
居住スペースをもとめてマンションなどに
移り住む状況が顕著である。
つまりブリスベンでは
特に市内中心部の集合住宅の
需給が特に切迫している状態であるといえる。