本来「通貨」は国家や
国家によりその役割を付託された
中央銀行が発行することになっている。
国や中央銀行は
景気の動向を観察しながら
経済が円滑に回るように通貨の発行量を
調整しているわけだ。
一方、ビットコインは
本来実験的に作られた
プログラムが発行している。
そして
そのプログラムでは発行量の上限が
2,100万ビットコインと決められていて
これはプログラムを開発した
技術者も変えることができない。
さらにプログラムでは
マイニングによって採掘できる
ビットコインの量は4年ごとに
半分になってゆくことになっている。
ビットコインの取引や
マイニングの参加者が少なかった当時には
個人のパソコンでも十分に可能だった
ビットコインの採掘は今やかなりの
高速演算ができるコンピュータを
使わなければ困難になっているようである。
これまでの通貨の
既成概念を破る形で実態価値を持った
ビットコインを受け入れる
ネットショップ、実店舗や個人は
どんどん増えている一方で、
銀行などの仲介機関を通さずに
世界各地にP2Pで送金できる
ビットコインは送金手数料が低いうえに
課税対象として各国政府の対応も追いついていない。
発行上限が決まっていて入手が難しく、
低コストで世界中に送金可能で
課税に関すつ法整備も間に合っていないのであれば
その価値が上昇するのは至極当然の成り行きである。
価値が上昇するにつれて
米ドルや日本円という
従来の通貨でビットコインを
買いたいと思う人が増えてきて
ビットコインの取引を仲介する業者なども
出てきて相場が立つようになった。
また、表にできないお金を
ビットコインに変えて海外へ送金すれば
簡単なマネーロンダリングも可能だ。
そうした筋からも
「買い」が入ったり、
安値で買って高値で売り抜けるという
投機的取引にも使われた結果
ビットコインの価値は急騰した。
現在取引所では
1ビットコインあたり
約USD230(※)で取引されている。
※2015年2月13日頃
約5年前に
ピザ1枚(USD20ぐらいだろうか?)が
10,000ビットコインではじめて
取引されたということを考えると
当時の価値はUSD1=500ビットコインである。
ビットコインの価値は
この5年間に10万倍になった、
と簡単に結論付けるわけにはいかないだろうが
通貨の概念に新たな要素が加わっているのは
確かなようだ。