2度の不動産バブル(上海編)

1995年、僕は中国上海に渡った。

1979年に鄧小平がおこなった
「南巡講話」を皮切りにはじまった
中国の改革開放政策は、

その10年後に起こった、
民主化を求める自国民の運動を武力で
鎮圧した「天安門事件」を非難する
各国の経済制裁により一旦は頓挫した。

しかし、
1993年頃からは制裁も解除され、
私が移り住んだころにはもとの改革開放が復活、
中国は再び経済成長路線に戻っていた。

それからの中国は、
年率10%以上の経済成長率を誇り、
常に右肩上がりの発展を遂げてきた
ことは周知の通りだろう。

2001年私は現地の女性と結婚し、
上海に2件の物件を購入した。

当時上海では
中国政府の規制で外国人が
買うことのできる不動産はごくわずか。

私は妻の名義で
ようやく不動産物件を
手に入れることができたのだ。

そのとき購入した不動産は、

新築のマンション106㎡、47万元。

中古のアパート40㎡、10万元。

当時の為替レートは、
1人民元=¥15程度だったので、

それぞれ、
日本円で700万円、150万円
といったところ。

日本ではさしずめ
そこそこグレードの高いメルセデスベンツと
カローラを一台ずつ購入したというところだろう。

2014年現在、
北京や上海といった大都市では
適齢期になっても結婚のできない
若者が増えていると聴く。

中国では習慣的に、
結婚をする男性が新居の
用意をしておくケースが多い。

結婚後に住む持ち家のない
男性との結婚に女性側の家族が
同意しないのだ。

現在、
上海の中心部では
中古のマンションでも
3,000万円、4,000万円という
価格が普通である。

大卒の初任給は4~5万円。

上海の1980年代生まれの
若者の打撃は私が新卒時に
経験したものよりはるかに厳しい。

翻って、

彼らより10歳年上の
1970年代生まれの人たちは、
結婚した当時数百万円で構えた
住居の現在価値が5倍以上に
なっていることも少なくない。

残酷な10年の差は、
ここ、中国でも発生していた。

さて私が10年前に購入した、

新築のマンション106㎡、47万元。

中古のアパート40㎡、10万元。

は現在それぞれ、

450万元と100万元になっている。

約10倍になったわけだ。

決して特別ではない。

私と同時期に上海で
不動産を購入した多くの
一般庶民が同じ経験をしている。

いや、不動産を専門に
果敢な投資をして億、数十億の
資産を手にしたものも少なくない。

日本からは去ってしまって、
未だに戻って来ていないバブルは
中国で発生した。

住む場所を移したために
再び自分の目の前に現れたバブル。

「この次、バブルが来たら絶対に逃さない!」

その通りの行動を採った結果である。

20数年前、
日本で崩壊したバブルは
10数年前から中国で起こり、
そして今はそれも沈静化している。

だが逆を考えると、
バブルはこれからも世界のどこかで
起こるということではないだろうか?

長期停滞の中にいる日本人にしても、

今、打ちひしがれている
80年代生まれの上海の青年たちしても、

その場所を見つけて、
適切な投資をすることでいつでも
バブルの波に乗れるチャンスは
残されている、と僕は思う。

※「バブル」はその崩壊がもたらす、
経済の混乱を思えば悪影響も非常に
大きなものである。
だが今回は「バブル」の中で起こる
景気の拡大、資産価値の上昇という
正の局面についてのみ語らせてもらう。

海外資産運用メールマガジン【国境なき投資戦略】

投資家として、そしてFA(ファイナンシャルアドバイザー)として海外で20年間生き抜いてきた玉利将彦が独特の視点から語る海外投資の極意

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