2014年12月14日、
第47回衆議院議員総選挙が
行なわれる。
自民党・公明党の連立与党が圧勝し、
安倍晋三政権が存続するというのが
現時点での大方の予想だ。
その通りになれば、
集団自衛権の行使、
憲法9条の改正、
原発再稼動、
金融緩和・インフレ政策の継続、
相続税増税、
株式譲渡益税増税、
軽自動車税増税、
個人所得税控除額縮小、
配偶者控除廃止、
再来年以降の消費税増税、
など増税に関する政策、
法人税減税、
医療費負担増、
年金保険料の増額と
年金支給額の引き下げ、
外国人労働者の受け入れ、
といった政策が
推進されてゆくと
いうところだろうか。
最初の安全保障や
エネルギーに関することを除けば、
増税や社会保障の状況悪化など
一般国民の負担が重くなる政策ばかり
ということは否めない。
それが
良いか悪いかを
論じるつもりはない。
できるだけ忠実に
事実を把握したい。
アメリカが
QEを縮小する一方で
日本が金融緩和を続けた影響で
12月に入って日本円は
1ドル120円を下回った。
2年前は
1ドル80円ぐらいだったので、
海外とくに米ドル圏における
日本円の購買力は30%以上減ったことになる。
インフレ率は今のところ
目標には届かないようだが
本来日銀は2%のインフレを
目標として金融政策を行なっている。
これが達成されると
国内においても購買力が
2%減少することになる。
つまり、
自分の日本円預金の
価値はみるみる下がってゆく、
ということである。
それを補って
現在の生活水準を維持するためには
所得が増えなければならないのだが、
賃金の伸びから物価上昇率を除いた
実質賃金は下がり続けている。
それでも
そこそこ賃金の上昇している
正社員であればまだ良い。
非正規雇用や派遣労働者の中には
年収が300万円に満たない人たちも多い。
そこに外国人労働者の
受け入れが実現されればどうなるか?
日本より
所得水準の低い国は少ない。
ということは
日本人よりも低い給料で
喜んで同じ仕事をやる人が
流入してくるということである。
すると労働市場での
競争原理がはたらき
さらに人件費コストの
低下が起こるだろう。
すると正社員とて
高い給料を維持することが
難しくなる。
昨年一旦はつぶれた
解雇規制の緩和などが
再び持ち上がってくるかもしれない。
そこへ持ってきて、
各種の増税や控除の廃止である。
預金の価値は下がり、
給料は上がらず、税負担が重くなる。
庶民の生活は苦しくなるばかりだ。
一方で誰が優位に立つのかというと
その答えも上記の政策の中に書いてある。
数々の増税の中で
ただひとつだけある減税。
法人税が減税されて
各種の個人税が上がるのなら、
企業の負担を減らしそれを庶民に
付け替えることに他ならない。
財界、産業界及び
そのオーナーや幹部にとって政治は
思い通りに動いているのではないか。
そして
自分たちの所得や
活動費用の源泉を増税で
確保できる公務員や学界も
この動きの中では有利な立場だろう。
特殊法人や天下りなども
ほぼ手つかずで温存されている。
政界に関しては言うまでもない。
議員定数削減など
自分たちの不利になることは
結局のらりくらりとやらないままだ。
要は国民の多くを占める
中間層が沈んでゆく一方で
少数のエリートや
世渡り上手なビジネスパーソンが
浮かび上がる、
といったところだろうか?
政権を担当している
自民党は戦後長きに渡って、
ずっと財界や官僚と
手に手を取り合って
日本という国を運営してきた。
自民党を
選挙に勝利させ、
政権を与えればこうなるのは
当たり前といえば当たり前かもしれない。
そんな状況に
反対なら投票を通じて
そうならないように
行動すれば良いのだが。。