1990年代後半から2000年代前半にかけて、
中国は年率10%近い経済成長率の中にあった。
国全体でならしての10%ということなので、
経済の中心地である上海に限っていうと
おそらくその倍ぐらいの成長を遂げていただろう。
街の姿の変貌ぶりは凄まじいものだった。
「胡同」とか「弄堂」と呼ばれる
炊事場、トイレが共同の長屋風の庶民の住居が
どんどん潰されて近代的な商業ビルやマンションが
キノコや竹の子のように立ち上がってゆく。
いきなり爆発音がする。
外を眺めると住民の立ち退きの終わった
集合住居から黒煙が上がっている。
ダイナマイトで
一瞬でがれきになった
旧居住地域には半年後、
巨大なマンションがそびえている。
そんなことが
10年以上にわたって続いた。
2000年頃、
上海の古くからの市街地である浦西地区では
新築マンションで1㎡あたり4,000〜5,000元程度
浦東地区で2,000〜3,000元/㎡程度だった。
新築のマンションがどんどん
建ち始めていたので街のあちこちで
価格が掲示されていたのだ。
2001年にはそれまで
外国人用に割り当てられていた
不動産しか購入・賃貸できなかった
外国人が中国人と同じようにすべての
不動産に投資ができるようになった。
その後、すごい勢いで価格が上がり始めた。
2014年現在の新築マンションの価格は、
浦西地区の新築マンションで1㎡あたり
30,000〜40,000元というのが普通である。
そんな中、自分も2001年に
2部屋のマンションを購入した。
現在の相場はやはり
買ったときの10倍に値上がりしている。
借金しまくってでも
もっと果敢に買い進めるべきであった、
と少し後悔することもあったが、
今は中国という国の体制を鑑みて
ほどほどのところで抑えておいて良かった、
と判断している。
「不動産価格は
場所とタイミングが合えば急激に上昇する」
これを体感できたことが一番の財産である。
10倍に上がることを
信じることができる感覚は
投資家としての思考の幅を確実に
広げてくれたからだ。