戦略家、真田孔明(3)

再び我々の運命が交わったのは
真田孔明が広州に転勤し、

「上海札束の会」

が自然消滅してから3年を経た2010年。

香港の金融ライセンスを取得し、
生命保険の仲介や金融機関の口座開設サポート、
インターネットバンキングの使い方の
マニュアルのオンライン販売等々、
今の仕事の基礎作りに奔走していた僕のところに
彼からひとつの依頼があった。

ある有名なネット起業家が
HSBC香港や中国銀行などの
口座開設を希望しているので
その仕事を頼みたい、という内容。

当時、
僕の活動の拠点はまだ上海にあって、
こうしたサポート仕事は香港のパートナーに
依頼するかたちを採っていたが、
事情を聞いて自ら動く形でその仕事を
引き受けることにした。

それが35万人の読者を誇る
メールマガジンの発行者であり、
多くの起業家に影響を与えている
K氏の口座開設サポートだった。

2007年に広州へ転勤した彼は
中国のネット環境の悪化も手伝って
一時情報商材販売の副業をやめて
投資と本業に集中していたらしい。

2010年に再び副業で
インターネットビジネスを
始めようと投資関連のメルマガを
発行し始めたときにK氏からの
問い合わせがあったという流れだ。

ところが我々は
この仕事をおこなっているときに
ひとつのミスを犯してしまう。

K氏が預金するために
持参していた現金資金が
中国の税関で見つかってしまったのだ。

中国ではUSD5,000相当以上の
現金を持ち込んだり持ち出したりするときに
税関で申告しなければならないという規定がある。

それを知らなかったわけではない。

自分や中国で暮らす仲間たちも
こんなことを見つかった経験がなかったから
侮(あなど)っていたのだ。

かくしてその現金の20%の
罰金を課せられることになったが、
それはサポートを引き受けた
我々が負担することになった。

仕事で開けた穴は
仕事で返さなければならない。

久しぶりの再会を果たした我々は
まずそのロスを挽回するために協力関係を
深めてゆくことになる。

海外資産運用メールマガジン【国境なき投資戦略】

投資家として、そしてFA(ファイナンシャルアドバイザー)として海外で20年間生き抜いてきた玉利将彦が独特の視点から語る海外投資の極意

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