一国における不動産価格のベースアップとバブルの違い(2)

さて、この経済成長にともなう
確固とした土地価格の上昇(ベースアップ)が
起こるときに不動産に投資をすると
いとも簡単に投資資産が数倍になる。

以下のデータでは1970年に
不動産を買えば1985年に4倍に
なっているのである。

http://www.nli-research.co.jp/report/shoho/2006/vol42/syo0606c.pdf#search=’日本+地価+推移’

1970年に500万円の土地を買えば
1985年には2,000万円になっているわけだ。

地価公示が始まる前の
データを探すのは難しいが
日本の高度経済成長は1960年初頭から
始まっているのでその頃には同じ土地が
100万円で買えたかもしれない、
というのは非現実な想像ではないだろう。

1960年代前半に買った
土地は25年後に20倍になり、
30年後には一旦50倍になり、
50年を経た今日また20倍前後に落ち着いている。

これが日本の
不動産価格の変遷ではないだろうか?

ベースアップが起こるとき、
立ち回り方次第で凄まじいまでの
資産増大が可能になるのだ。

できることなら
1960年に戻って土地を買いたい、
というのは誰もが思うことである。

だが、戦争で壊滅した状態からの
高度経済成長によってもたらされた
日本のベースアップはもう終わってしまった。

少なくとも
我々が生きている間に
もう一度同じことが起こることはない
と考えるのが賢明だろう。

日本のベースアップ時代は
僕もさすがに子供だったので
投資をするような状況にはなく
その雰囲気を何となく憶えている程度だ。

しかしその20年後、
今度は自分自身が参加する形で
一国の経済の、そして不動産価格の
ベースアップを経験することになった。

1990年代中盤から
滞在している中国において、
である。

中国は土地の所有ができないので
不動産価格はそのまま
コンドミニアムの価格になるのだが、
2000年代初め頃に50万元だったものが
今は普通に400万元以上する。

バブル崩壊が近いと言われ続けている中国。

もしバブルが崩壊したら
やはり不動産価格は暴落するだろうか?

だが、それが元の50万元に
なるというのはやはり考えにくい。

今、バブルが崩壊したとして
300万元に下がるのか、200万元に下がるのかは
知らないがそれでも元の価格の4〜6倍なのだ。

ベースアップの資産増大効果の
破壊力の凄まじさはこのことからも
充分に感じ取れる。

ベースアップ時代には
ほとんど誰がどんな不動産を買っても上がる。

こんなときには
お金があったらとりあえず
バカのひとつ覚えみたいに
不動産を買っておけば良いのだ。

2000年代の上海などはまさにそうだったし、
1960年代からの日本もそうだったのだろう。

だから土地神話などというものが生まれた。

バブルの場合も似たように
一時期は何を買っても上がる状態になる。

だが、バブルはいずれ崩壊して
その間に上がった価値は消し飛んでしまう。

乗っかるのは良いが
引き時を気をつけなければならない
という点でベースアップとは異なる。

海外資産運用メールマガジン【国境なき投資戦略】

投資家として、そしてFA(ファイナンシャルアドバイザー)として海外で20年間生き抜いてきた玉利将彦が独特の視点から語る海外投資の極意

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