香港の給与所得税は
一定の現物給与を含む
香港を源泉とする給与所得に
対して課税される。
現物給与の主なものは
社宅の支給(住宅手当)であり、
社宅に住んでいる場合給与金額の10%が
住宅手当として給与収入に参入される。
例えばHKD30,000/月の
給与の人がHKD15,000/月の
社宅に住んでいる場合はHKD33,000/月が
税務上の給与収入となる。
つまり家賃のHKD15,000から
HKD3,000を除いたHKD12,000が免税となるのだ。
住居費の高額な
香港では優遇措置と言える。
2016年香港における
所得に対する手取り額の計算方法は
以下の通り。
給与所得ー人的所得控除(Personal Allowance)-特別控除(Concessionary Deductions)=課税所得
この課税所得に
所得税率を乗じて
所得課税額を決定する。
さらに香港の年金にあたる
MPF(強制積立年金)を引いて
手取り額が確定する。
[人的所得控除(Personal Allowance)]
基礎控除(独身):HKD132,000
基礎控除(既婚):HKD264,000
扶養子女控除(第1子から第9子まで1人につき)
・誕生年度:HKD200,000
・翌年度以降:HKD100,000
扶養父母・祖父母控除(1人につき)
60歳以上
・同居の場合:HKD92,000
・別居の場合:HKD46,000
55歳から59歳
・同居の場合:HKD46,000
・別居の場合:HKD23,000
扶養兄弟姉妹控(1人につき):HKD33,000
寡婦(夫)控除:HKD132,000
扶養障害者控除(1人につき):HKD66,000
[特別控除(Concessionary Deductions)]
自己学習費用:HKD80,000
高齢者介護控除:HKD92,000
住宅ローン控除(※1):HKD100,000
退職金給付に対する強制積立:HKD18,000
慈善寄付金:課税所得の35%まで
※1:控除期間は15年
[香港所得税の累進税率と課税額]
HKD40,000まで:2%(課税額HKD800)
HKD40,000-HKD80,000:7%(課税額HKD2,800)
HKD80,000-HKD120,000:12%(課税額HKD4,800)
120,000HKD以上:17%
[MPF-Mandatory Provident Fund(強制積立年金)]
香港の公的年金にあたるMPFの積立比率は給与額の10%でこれを会社と従業員で5%ずつ拠出し、拠出額の上限は労使それぞれHKD1,500/月(給与収入HKD30,000/月)である。
MPF拠出金はHKD15,000/年まで所得税控除がある。
【単身者で年収HKD400,000(約600万円)の香港人の手取り収入概算】
年間給与収入(10%の住宅手当を含む):HKD400,000(HKD33,333/月)
基礎控除:HKD132,000
MPF控除:HKD15,000
課税所得:HKD253,000
所得税(税率17%累進):HKD31,010
MPF(強制積立年金):HKD18,000
税・社会保険料引き後手取り額:HKD350,990
これを日本円に換算すると、
年間給与収入(10%の住宅手当を含む):JPY6,000,000(JPY500,000/月)
基礎控除:JPY1,980,000
MPF控除:JPY225,000
課税所得:JPY3,795,000
所得税(税率17%累進):JPY465,150
MPF(強制積立年金):JPY270,000
税・社会保険料引き後手取り額:JPY5,264,850
【単身者で年収HKD1,333,000(約2,000万円)の香港人の手取り収入概算】
年間給与収入(10%の住宅手当を含む):HKD1,333,000(HKD111,111/月)
基礎控除:HKD132,000
MPF控除:HKD15,000
課税所得:HKD1,186,000
所得税(税率17%累進):HKD189,620
MPF(強制積立年金):HKD18,000
税・社会保険料引き後手取り額:HKD1,125,380
これを日本円に換算すると、
年間給与収入(10%の住宅手当を含む):JPY20,000,000(JPY1,670,000/月)
基礎控除:JPY1,980,000
MPF控除:JPY225,000
課税所得:JPY17,790,000
所得税(税率17%累進):JPY2,844,300
MPF(強制積立年金):JPY270,000
税・社会保険料引き後手取り額:JPY16,880,700
※HKD1=JPY15(2016年12月時点)