生々流転と相続税増税と子供の教育と

三笠宮崇仁親王がご逝去された。

昭和天皇の
14歳下の弟で享年100歳。

20代後半のときには
軍人として戦地にも赴いている。

ニュースに触れ、
ネットで検索してみた。

ウィキペディアには
1922年(大正11年)に撮影した
4人兄弟の写真があった。

裕仁親王(後の昭和天皇)、
澄宮崇仁親王(後の三笠宮)、
光宮宣仁親王(後の高松宮)、
淳宮雍仁親王(後の秩父宮)

皇太子だった裕仁親王以外は軍服姿。

時代を偲ばせる、そして皆若い。

今はもう誰もこの世にはいない。

僕は映画好きだ。

特に1980年以前に
撮られた古い映画が好きで
一部の作品を繰り返してよく見る。

だいたいは作品の根底に
昔から変わらない人間のおこないを見て
感心していたりするのだが、
たまに一定の作品を見て本来の趣旨とは
まったく関係のないことを思い起こすことがある。

「道(La Strada)」

というイタリア映画。

イタリアの巨匠
フェデリコ・フェリーニの代表作で
映画史上でも不朽の名作と位置づけられている。

僕も何度も繰り返し見ている。

胸に巻いた鎖を
筋肉の収縮だけで引きちぎる
という粗っぽい芸で生計を立てている
大道芸人のザンパノが
ジェルソミーナという純粋な心を持つ
少女を小間使いとして買って一緒に旅に出る。

旅の途中で一度逃げ出した
ジェルソミーナは綱渡りの芸人と
出会って心をひかれる。

ジェルソミーナは
綱渡り芸人が演奏する曲を
よく歌うようになった。

いろいろな経緯があって
ザンパノはその綱渡り芸人を
殴って殺してしまう。

そのことにショックを受けて
精神に異常をきたしたジェルソミーナを捨てて
ザンパノは一人で去ってしまう。

数年後年老いてもなお
鎖を引きちぎる芸で旅を続けるザンパノは
ある街で聴き覚えのある歌を耳にする。

歌っていた女性に訊くと
その街に流れ着いて死んだ若い乞食の女が
いつも口ずさんでいたという。

思いがけなく
ジェルソミーナの運命を知ったザンパノは
夜の海岸で咽び泣く、というストーリー。

作品に対する素直な感想は
ネットを検索してもらえれば
いくらでも出てくるのでそちらに譲りたいが、
僕はこの名画を見終わったとき
いつもなぜかザンパノが死んだあとのことを
思い起こしてしまうのだ。

物語の前半で
懸命に生きていた登場人物。

最初に綱渡り芸人が死んで、
それが原因でジェルソミーナが死んで、
やがてザンパノも死ねば
彼らが活動していたことを憶えている人もなく
それらの出来事はすべて消え去るのだな、と。

まあ、
これは映画の中の架空の設定だが、
当然現実の世界でもこの映画を作った人たちがいる。

映画は今でも見れるが作品の中でいきいきと
躍動しているザンパノ役のアンソニー・クイン
(2001年に86歳で死去。個人的にすごく好きな俳優)
や監督のフェリーニ(1993年73歳で没)
ジェルソミーナを演じたジュリエッタ・マシーナ
(1994年に73歳で没。フェリーニの妻)も
すでにこの世にいない。

ちなみに三笠宮と
アンソニー・クインは
同じ1915年生まれ。

男性が100歳まで
生きる確率は約1%なので
彼らの同世代の人はほぼ全員
この世を去ったことになる。

毎日生活していると
我々がずっとそれが
繰り返されていくように錯覚するが
客観的にみると人間の命はわずか数十年なのだ。

話はガラリと変わるが
最近相続税の増税の
動きが盛んになっている。

2015年より
相続税の基礎控除額は

「3,000+600万円X法定相続人の数」

となっている。

例えば法定相続人が
妻と子供2人の場合、
4,800万円まで非課税だ。

その金額を超えた部分が課税対象で
累進で10%から55%の相続税がかかる。

基礎控除は2014年まで

「5,000+1,000万円X法定相続の数」

だった。

上記の家族構成の場合
相続資産は8,000万円まで
非課税だったということだ。

8,000万円の
相続資産がある家庭は
それほど多くはないだろうけど、
家屋敷含めて4,800万円ぐらいなら
結構持っているのではないか?

と誰でも感じるだろう。

もちろん
その感覚は間違っていなくて、
この基礎控除額の引き下げで
相続税にかかるレベルの人が格段に増えて
国は相続税の増収が見込めるのである。

相続税については
先週も新しいニュースがあった。

非居住者となって
国外に住んでいる日本人も
すべて相続税の対象とする、
ということである。

現時点では
相続人(財産を受け継ぐ人)と
被相続人(財産を持っている人)が
そろって5年以上海外に住んでいる非居住者となれば、
国外資産については日本の相続税の対象から外れる、
という規定になっていた。

この規定が強化されるのだろう。

「5年以上」というのが
「10年以上」となるかもしれないし、
あるいは年限自体が撤廃されてしまうかもしれない。

ちなみに僕は
日本を離れて20年以上になるし、
子供も海外で生まれているが
双方ともに日本国籍である。

居住している
香港は相続税がないので
これまで相続税は自分には無縁かな、
と思っていたが今後は年に数度訪問するだけの
祖国に妻や子供が相続税を納める
義務が発生するかもしれない。

まあ法律で
規定されるとなれば仕方がない。

だが、
そもそも相続資産を
残すような必要もあるまい。

どうせ数十年の命、
稼いで運用して殖やしたお金は
自分が生きているうちに
自分や身近な人のために使ってしまえば良い。

それでも余ったら慈善でもするか。

どうせたいした額ではないのだし、
子供にわずかな金や不動産を残すなら
いろんな教育につぎ込んで生きる力を
授けてやれればその方が良い。

そんなことを考えていた日曜日の朝。

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