トライリンガルのトリッキーな使い方

僕は22歳まで
日本語しか話せなかったが、
23歳のときにオーストラリアで
英会話ができるようになり、
28歳のときに中国語を習得して以来
20年間トライリンガルとして生きている。

香港を拠点にはしているが、
ほぼ1〜2ヶ月に一度ずつ日本と上海を
往復する生活。

日本語、英語、中国語(北京語)を
常に使っているので衰えることはない。

ここまで来ると
これらの言葉を使って芝居をし、
相手を出し抜くということもできるようになる。

昔はエアチケットを予約しても
フライトの3日前ぐらいまでに一度
航空会社に電話をして、
自分が予定通り予約したフライトに
乗ることを知らせる必要があった。

リコンファームと呼ばれる作業である。

リコンファームを
必要とする航空会社は
90年代後半からだんだんと少なくなってきて
今はこの作業が必要なエアラインはないはずである。

2002年頃のこと、
リコンファームが必要な航空会社は
だいぶ少なくなっていたが中国東方航空(MU)では
当時まだリコンファームの習慣が残っていた。

当時香港勤務だった僕が
中国に出張したときの上海-香港便で
東方航空の便を予約してそのまま空港で
チェックインをしようとしたとしたら
満席で乗ることができないと言われた。

リコンファームがなかったので
予約がキャンセルになった、とのことである。

香港に戻ってからも仕事が
控えているのでその便に乗って
帰られなければ困る。。

「リコンファームが必要なんて
きょうび聞いたことないよ。何かの間違いじゃない?」

チェックインカウンターの
担当者に食い下がってみると、

「ここに書いてありますよ」

とチケットを裏返しにして見せられた。

確かにリコンファームが必要と書いてある。

完全な自分のミス。。

でも、絶対に何とかしなければならない。

そのとき上海自分が何故か
英語でやり取りをしていることに気がついた。

中国語はひと言も話していなかった。

日本のパスポートは見せている。

”よし、イチかバチか”

中国語がわからない振りをしてゴネてみた。

「帰れないと困るんだよ。
キャビンアテンダントの席でも
良いから乗せてくれないかな?」

などと理不尽なことを言って、
チェックインカウンターに居座った。

後ろにはチェックインを
待つ人の長蛇の列があるが
かまっていられない。

あの手この手で粘って動かない。

しばらくするとイラついた
カウンター担当者がつい吐き捨てるように、

「这个小日本怎么搞的(なんなの?この小日本)」

と言った。

”きたっ!”

小日本というのは日本人を
悪く言うときの言葉である。

すかさず中国語で、

「僕を罵っていますよね?
それは聞き捨てなりませんよ。
あなたの上司と話しがしたい」

驚いた担当者が
マネージャーを呼びに行き、
必ず1、2席は空けてあるシートを
当てがってくれて一件落着。

ちょっと乱暴な
やり方ではあったが、
あのとききちんとフライトできたのは
やはり日本語、英語、中国語が話せたおかげだと思う。

海外資産運用メールマガジン【国境なき投資戦略】

投資家として、そしてFA(ファイナンシャルアドバイザー)として海外で20年間生き抜いてきた玉利将彦が独特の視点から語る海外投資の極意

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