中国人の海外不動産投資を分解してみる(1)

最近、
中国人が日本の土地・不動産を
積極的に買っているという話をよく聞く。

最初に
その類の話を聞いたのは
4、5年ほど前。

そのときは
森林や水源地を購入している
というイメージだった。

国土が広い中国は
内陸には乾燥した土地も多く、
黄河や揚子江などの大河川も
黄色い土壌を多く含んでいたり、
工場排水などで汚染されていて水質は悪い。

つまり
飲料水に使えるような水が
著しく不足しているのである。

だから雨が多く、
地下水が豊富な日本の土地を買って
その資源を利用したい、
というのが目的であったように記憶している。

当時は円高だったので
外国人にとって日本の土地は
決して安くはなかった。

だから、
それを補って余りある
事業的なメリットが上に乗っていれば
投資する価値はある、
というイメージだった。

ところが、
2013年以降の円安トレンドで
外国人にとって日本の不動産は
一気に割安になった。

円高の頃は
法人や個人でもかなり限られた人達が
投資していた中国人の日本の不動産投資に、
その下のレベルの富裕層が
こぞって参入してきたのである。

いわば裾野が広がった。

さらには
日銀の量的緩和による
インフレ策や円安によって
日本の景気が回復していること、

2020年の
東京オリンピック開催が
決まったことにより
特に首都圏の地価、不動産価格が
上昇するという見込みを感じていることが
作用して熱を帯びてきているのである。

こうした風潮の中、
日本人の中には自国の領土を
中国人に買い占められるような
感覚を覚えて不安になる人も少なくないだろう。

特に中国は覇権国家なので
そうした中国の民間投資家による
土地所有権の確保が
将来的な日本への影響力の強化、
果ては侵略につながるのではないか、と。

だが、
その見方はいささか
視野が狭いかもしれない。

中国人富裕層の
海外不動産購入の盛り上がりは
決して日本だけではない。

彼らは世界中の不動産を
買いあさっているのである。

王朝が変わるたびに
過去のシステムや価値観を
徹底的に破壊してきた歴史を持つ中国人は
基本的に自分の国の政府や通貨を信用していない。

そうした性質が
彼らを金銭的な蓄財よりも
より永続的な価値を確保できそうな
海外への不動産投資へと駆り立てるのである。

海外資産運用メールマガジン【国境なき投資戦略】

投資家として、そしてFA(ファイナンシャルアドバイザー)として海外で20年間生き抜いてきた玉利将彦が独特の視点から語る海外投資の極意

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