バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)

2015年3月6日の香港から
日本へ向かうキャセイパシフィックの
フライトで鑑賞した

「バードマン あるいは(無知がもたらす予期せぬ奇跡)」

2週間ほど前に行われた
今年のアカデミー賞で作品賞を獲得した作品である。

20年以上前に
「バードマン」というヒーロー物の
シリーズの主役として大スターとなったが
その後、俳優として満足のゆく仕事もできず、
家庭の挫折を味わった男が
再起をかけて自ら資金を投じてブロードウェイの
舞台で演出と主演に挑戦する。

だが、共演に選んだ舞台俳優と
自分との才能の差に打ちのめされたり、
作品の開演時に不運なハプニングに見舞われたりして
精神的に追い詰められてゆく姿を描いている。

全編の場面が繋がっているような
独特なカメラワークも興味深い作品である。

マイケルキートンが演じる
主人公は30台で富と名声を手にした成功者。

マリブの高級住宅地に住み、
一生不自由なく暮らして行けるだけの
財産を持っていたはず。

だが、
バードマンのイメージが邪魔して
俳優として良い仕事ができず自分はアル中になり、
あまりかまってあげなかった娘はドラッグ中毒、
妻とは離婚というふうに坂道を転げ落ちてゆく。

そして最後は自宅を
抵当に入れて無謀な勝負に出てしまう。

一旦達成した人生の高みから落ちると精神的にしんどい。

僕もサラリーマンを退職して
事業主になり年収が半分以下になって、
数年間その水準で停滞したときには
世の中すべてが灰色に見えて
心から笑うこともできなかった。

その辛さから解放されたと感じたのは
以前の収入を超えることができたときだ。

精神の充足はなんだかんだいっても
経済的安定が背景にある、
これはすごくはっきりしている。

この男の場合、
若い時に到達したところが
世界的な大スターというもはや
再び戻ることが不可能なぐらいの高みである、
その精神的な充足を取り戻す活動は
おそらくのたうち回るぐらいの苦しさだろう。

悪いところから始まって
常にきれいな右肩上がりで人生を
過ごせればそれが一番ラクなのだろうか。

あるいは適当なところで
自分の気持ちに上手に諦めをつけられれれば
ラクなのだろうか。

人生がたった一度であるかぎり、
それらを較べることはできないが。

海外資産運用メールマガジン【国境なき投資戦略】

投資家として、そしてFA(ファイナンシャルアドバイザー)として海外で20年間生き抜いてきた玉利将彦が独特の視点から語る海外投資の極意

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