世の中には
「平時」と「有事」
がある。
平時。
変わったことのないとき。平常。ふだん。
戦争や事変のない時。平和な時。
《Goo辞書から引用》
平時のときにやる投資は
セオリーにしたがって計算通りに
おこなえば良い。
ドルコスト平均法を利用して
複利で積立投資をやったり、
築年数や建物の造り、
場所や物件価格などから
利回りを割り出して不動産賃貸をやったり、
景気動向や
テクニカル分析や
ファンダメンタルズ分析を
駆使して株式を取引したり、
マネーサプライや金利を
見ながら債券に投資をしたり、
などというのが
平時の投資戦略だと言えるだろう。
有事。
戦争や事変、武力衝突、
大規模な自然災害などの国家にとって
非常事態が起こることであり、
軍事的危機だけでなく、経済危機、
人為的大事故、自然災害、
社会的大事件などの総合的な言い方。
(Wikipediaから引用)
平和なときに
イメージするのは難しいが
有事になると
株式価格が乱高下したり、
ある一定の通貨が暴騰・暴落したり、
不動産が無価値になったり、
金利が急上昇したり、
国家が破綻したり、
ということが起こる。
そんなときに
ファンダメンタルズで
企業の株主資本利益率(ROE)を
分析したり、
より良いインカムや
利回りを求めて物件を探したり
するようなことがあまり意味のない
行動であるのは容易に想像できる
のではないだろうか。
それどころか、
居る場所によってはすぐに
退避しなければならないことも
ありうるだろう。
地域からの退避、国からの退避。
ときには
自分の大事な資産を置いて
着の身着のまま家族とともに
逃げなければならないこともあるかもしれない。
そんなときに頼りにできるのは
危機が起こっているところとは
別の場所に置いてあるおカネであったり
不動産であったりするだろう。
だから「場所の分散」は大事なのだ。
だから「通貨の分散」は大事なのだ。
もうひとつ。
有事は投資で資産を激増させる
千載一遇の機会にもなり得る。
ワーテルローの戦いで
イギリスが勝利することを
誰よりも早く察知していながら、
逆にまずイギリス国債を
売って敗戦の雰囲気を作り、
大勢の人が狼狽売りをしたところで
素早く「買い」に転じ、
勝利のニュースが出回る頃には
世界を裏から支配できるほどの
資産を築いたロスチャイルド。
明治維新直後、
それまで通用していた藩札と
呼ばれる江戸時代の通貨を
政府が買い入れて新通貨を発行する
という情報を前もって入手し、
ありったけの藩札を買い集めて
三菱財閥の基礎を作った岩崎弥太郎。
国家破綻後、
国外に退避させていた外貨資産を
祖国に持ち込んで暴落した不動産や
金融資産を買いあさり巨万の富を得た
一部のロシア人やアルゼンチン人富豪。
世界のどこで起こるかわからない有事。
それが突然訪れたとき、
機会を逃さず素早く対応するために
必要なのは、
「資金の移動が容易な場所」
にお金を置いて
準備をしておくことである。