汗とガソリン。日本一周「線の旅」

「線の旅」

自分で運転して
見知らぬ土地を巡る旅の仕方として
僕が名付けた旅行のスタイル。

飛行機や電車、バスなど
公共の交通機関を使って目的地を
巡るのが点と点を結ぶようなイメージの旅。

その対極にあるのが線の旅。

僕がもっとも好む形の旅。

これまで
オーストラリアやアメリカ、
ヨーロッパにおいてこの「線の旅」を
楽しんできた。

原点は大学2年の春、
アルバイトで貯めた有り金をはたいて
400CCのオートバイを手に入れたことだ。

青函トンネル完成前の1987年。

その翌年に廃止される
青函連絡船にバイクを乗せて
幼なじみの友人と2人で北海道に行った。

テントと寝袋を
後部座席に縛り付け、
陽が暮れたところでキャンプをしながら
函館、札幌、富良野、網走、知床、室蘭
などを廻って来たときと逆のルートで
東北地方を縦断して東京のアパートに戻った。

興奮はしばらく覚めなかった。

右手のアクセルを絞れば
どこまでも走ってゆける感覚の虜になった。

それからバイトで
わずかな金を貯めては各地を走ることに
取り付かれた。

普段は近場を攻めて、
春や夏の長い休みには遠出をする。

130906toimisaki

名古屋から紀伊半島を廻り、
兵庫県を縦断して鳥取に出て北陸を
新潟まで北上して東京へ戻るルート。

岡山から四国、九州を周遊するルート。

鳥取から山陰、山陽をぐるっと廻るルート。

野宿、野宿の日々。

学生の身分で金はなかった。

屋根の下で眠れるのは
地方の大学に行っている友人の家や
田舎のバス停に泊まるときだけ。

ガソリンスタンドの
見えない僻地でバッテリーがあがり
地元にドライバーに助けてもらったり、

雨の日、たき火の火が点かず
生米を齧って飢えをしのいだり、

地方の銀行で
引き出すことができず無一文になり
警察官にお金を借りたり。

いくつも失敗して、いくつも助けられた。

辛いことも多かったが、

風を受けて走るときに香ってくる
その土地にしかない空気、

寝袋にくるまり満天の星を眺めて
波の音を聞きながら遠のいてゆく意識、

草と朝露の匂い。

会いに行かずにはいられないのだ。

走るのも立ち止まるのも決めるのは自分。

「線の旅」

は始まったばかりだった。

海外資産運用メールマガジン【国境なき投資戦略】

投資家として、そしてFA(ファイナンシャルアドバイザー)として海外で20年間生き抜いてきた玉利将彦が独特の視点から語る海外投資の極意

お名前(姓)
お名前(名)
Eメール

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

海外資産運用メールマガジン【国境なき投資戦略】

投資家として、そしてFA(ファイナンシャルアドバイザー)として海外で20年間生き抜いてきた玉利将彦が独特の視点から語る海外投資の極意

お名前(姓)
お名前(名)
Eメール