マイレージ1.5倍。クレジットカード外貨決済の落とし穴

クレジットカードを使って
マイルを貯め無料航空券を獲得するという行為は
もはや一般に普及した感がある。

特に経費などで消費ベースが大きく
飛行機を使った出張の多い経営者・事業主にとって
マイレージと提携したクレジットカードを
いかに効率よく使うかということがときに
将来の資金効率にも影響を及ぼす。

パソコンやプリンタなどの設備、
出張の交通費・宿泊費、月々の公共料金から日用品、
食料品の買い物まで現金では支払わずに
極力クレジットカードを使ってマイルを貯める。

それが
将来の旅費を減らすことになり、
浮いた経費はもはや投資に対する
リターンといっても過言ではない。

だからと言って
何でも貯めれば良いかと言うとそうではなく、
自分がよく使う航空会社の航空券に替えることができる
マイレージを集中して貯めることが重要。

香港を拠点に
日本や他の地域を行き来している僕は
香港のキャセイパシフィック航空の無料航空券に
引き換えが可能なアジアマイルを貯めるようにしている。

クレジットカードには
発行国の国内で使用した場合と
海外で外貨の消費に使った場合とで
マイルの支給率が違うことはよくある。

国内で使用するよりも
海外で使うときの方が支給率が高い。

例えば僕がメインで使っている
クレジットカードは以下の2種類。

・Cathay Pacific MUFJ ゴールドマスターカード

・American Express Cathay Pacific Elite Credit Card(アメックスキャセイパシフィックエリートカード)

MUFJゴールドマスターカードは
日本で発行されたもので日本国内では
100円の消費につきアジアマイルが
1マイル付いてくるがこれで外貨の決済に使うと
100円につき1.5マイル支給される。

外貨の決済というのは
海外に行ってそこで消費をするか
あるいはオンラインで海外のサービスを利用したり、
海外のショップから外貨建てで商品を買ったりすることだ。

つまり海外で使うと国内より
50%も多くマイルが貰えるのである。

逆にアメックスエリートカードは
香港で発行されたもので香港で使うときには
HKD6(約84円※)で1マイル、外貨建てで決済したときは
HKD6につき1.5マイルが支給される。

※HKD1=JPY14(2017年5月時点)

なので、
自分が香港にいるときは
MUFJゴールドマスターカードで決済して、
日本にいるときはアメックスエリートカードで支払うようにすれば
いつも発行地で使うより1.5倍のペースで
マイルが貯まってゆくということになる。

”これはオイシイかもしれない”

とばかりに、
最初はそういう使い方をしてきたが
そのうち何とはない違和感が芽生えてきた。

というのも
そうして使った外貨はいずれ
MUFJゴールドマスターカードであれば日本円換算で、
アメックスエリートカードであれば
香港ドル換算で請求が来ることになるのである。

となれば、
どういう為替レートで計算されるのか、
という問題が関わってくる。

おそらく
クレジットカード会社が
決めたレートになるはずだが
その換算レートが一般の為替レートよりも
はるかに不利であればそれほど得ではないかもしれない。

また外貨で消費するときに
特別な手数料がかかっている可能性もある。。

というわけで、
今回詳しく調べてみた。

すると案の定、
MUFJゴールドマスターカードは

「外貨のショッピングご利用代金を円貨へ換算するための事務手数料」

なるものがかかっていた。

その手数料率は2%(消費税税込みで2.16%)

例えばアメリカで
USD100の消費をした場合は
税込みで2.16%の事務手数料を加算して
USD102.16がクレジットカードから
引き落とされるということになる。

さらに外貨から日本円に
両替するときにも為替手数料がかかる。

運営会社から届いた
ハガキの記載をそのまま引用すると、

(ここから)

※参考までに、現金(円)を両替した場合の外貨両替手数料は下記のとおりです。

2016年10月現在の国内の一般的な銀行の手数料(米ドルの場合):1ドルあたり2.8円から3.0円

例:手数料3.0円で100ドル(=為替1ドル100円換算10,000円)をご利用いただいた場合1ドルあたり3.0円⇒10,300円

(ここまで)

つまりUSD1=JPY100で
このクレジットカードを使って
USD100の買い物をしたら最終的には
日本円ではUSD100X1.0216X1.03=USD105.22

と、5%程度割高になってしまう。

だがそれでも
1.5倍のマイルが付くなら損か得か?

検索で調べたところ
1アジアマイルには1.5円の
価値があるという記述があった。

通常の時期であれば
香港-日本の7日間の往復フライトは
35,000マイルで交換できる。

先程調べたところ同様のエアチケットは
HKD2,650(約37,000)からHKD4,040(約57,000円)だったので
1アジアマイル=1.5円大方間違いのない数字だろう。

円ドルレートはざっくり
USD1=JPY100とする。

USD100=JPY10,000である。

外貨でUSD100の買い物をしたら
USD105.22がカード会社から引き落とされて
100円あたり1.5マイル支給される。

ということは
この取引で得られるマイルは
USD105.22X100÷100X1.5=157マイル。

一方日本円でJPY10,000の
消費をして得られるマイルは100マイル。

その差57マイル。

この57マイルを
1マイル=1.5円で換算すると85.5円である。

85.5円分のマイルを多く獲得するために
USD5.22(=JPY522)も割高なものを買うことになる。。

1.5倍のマイルがもらえるからと言って
このカードを外貨での決済に使っていると
どんどんロスが積み上がってくることになる。

イメージは往々にして正しくない。
 
 
 
3日前から日本に来ている。

食事が安くて美味すぎる

例えば昨日の夕食のこれ。


 
餃子、ラーメン、アルコール付きで1,200円。

香港では以下の水煮牛肉麺が
約HKD100(1,400円)だ。

同じぐらいのレベルの
メニューで比べた場合日本の外食はもはや
中国・香港よりもずっと安い。

デフレ感だ。

そして自分の体重は
インフレを起こす前に
さっさとここを離れねばならない。。

海外資産運用メールマガジン【国境なき投資戦略】

投資家として、そしてFA(ファイナンシャルアドバイザー)として海外で20年間生き抜いてきた玉利将彦が独特の視点から語る海外投資の極意

お名前(姓)
お名前(名)
Eメール

海外資産運用メールマガジン【国境なき投資戦略】

投資家として、そしてFA(ファイナンシャルアドバイザー)として海外で20年間生き抜いてきた玉利将彦が独特の視点から語る海外投資の極意

お名前(姓)
お名前(名)
Eメール