ドイツ・ベルリン不動産の購入手続きとコスト(1)

ドイツ不動産の所有には
自由所有権(Freehold Title)と
賃借権(Leasehold Title)の2種類がある。

自由所有権(Freehold Title)は
オーナーが土地と建物に
すべての権利を保有するもので
賃借権(Leasehold title)は区分住宅物件や
「Teileigentum」と呼ばれる非住宅物件、
商業物件を使用する権利である。

ベルリンで
新築物件を購入すると、
通常オーナーは5年間の
保証を獲得できる。

以下は
ドイツ・ベルリンの不動産売買に
おける手続き及びコストの詳細である。

【公証手続(Notarization)】

ドイツの不動産を購入するときには
以下の手順で弁護士の公証手続が必要である。

1.ベルリンの弁護士に連絡

2.ベルリンの弁護士が買い主にPOA(Power of Attorney)の発行をメールで要求

3.買い主はPOAに署名をしてドイツ大使館(領事館)で公証を取得

4.署名済みのPOAをスキャンデータを弁護士にメール送信、同時にでオリジナルの書類を弁護士に郵送

5.弁護士がデベロッパーから売買契約書を取得してデューディリジェンスをおこなう

6.契約書のデューディリジェンスは2週間以内に完了し、もし問題がなければ買い主に売買契約書の証を要求する。これが契約をキャンセルする最後の機会となる

公証作業の際、弁護士は買い主に以下の物件取得コストを請求する。

・不動産取得税:6%
・公証費用:1.5%
・物件代金初回支払分:15%

7.公証実行時に1.5%の公証費用と土地登記費用を支払い。この時点で売買契約は法的拘束力を持つものとなり、以後物件に関するすべての手続きは買い主によって行われなければならない。

8.公証作業から4週間後、6%の不動産取得税(Grundwerbssteuer)を支払う

9.同時に物件代金の15%の頭金を支払う

10.残額を物件完成時に支払う

【不動産取得費用】

不動産取得費用は物件購入時に
物件代金とは別に発生する費用のことを言う。

[不動産取得税(Grundwerbsteur)]

物件取得時に価格が
EUR2,500を超えるすべての
不動産取引に課せられる税金。

不動産取得税は通常
物件の購入者が支払うもので
税率は自治体によって異なる。

ベルリンでは現状6%。

これはイギリスや
ウェールズにおける印紙税(SDLT)の
ようなものと理解して良い。

[公証手続]

契約書を有効化させるために
すべての関連書類には有資格の
公証人による公証が必要。

この処理には
物件価格の約1%の費用がかかる。

[法務費用]

法務費用は
通常物件価格のだいたい1%だが、
不動産物件によってその金額にはばらつきがある。

[土地登記費用]

不動産取引は
土地登記所で登記をして完了する。

この登記にかかる費用は
物件価格の約0.5%、
あるいは1件あたり定額でEUR2,000。

[家具セット]

賃貸収入を最大化するためには
家具を備え付けにするのが有効。

ドイツにおいて最低限の要求は
キッチンと調和していることだ。

家具のコストは
物件の広さや家具の品質にもよる。

【運営費用(Operating Costs)】

運営費用は物件の所有権を
保有している期間を通じて
発生する費用のことを言う。

[管理費・ランニングコスト(Hausgeld)]

物件が区分所有の住宅(アパート)
あるいは商業ビルであれば
管理費(Service Charge)を負担しなければならない。

管理費は建物、暖房、水道、
共用設備のメンテナンスや
保険料などに充てられる。

[減債基金(Sinking Fund)]

物件のオーナーは
A CapEx reserveを建物の減債基金(※)
として支払わなければならない。

これは物件価値の
2%となるのが一般的である。

この減債基金の費用は
テナントより支払われる
毎月の賃貸料に含めてはならない。

※将来の借金返済のために積み立てておくお金

[固定資産税(Ground Tax=“Grundsteuer”)]

年度ごとに支払われる固定資産税は
課税評価価値の0.5%から2%である。

課税評価額は原則、
公正な市場価格の最大25%程度である。

固定資産税は賃貸料から
控除できる経費とすることができる。

[賃貸管理手数料(Tenancy Management Fee=“Sondereigentumsverwalter”)]

賃貸管理手数料は
テナントの募集や契約更新に
かかる費用である。

賃貸管理手数料は
物件オーナーが負担するもので
テナントより支払われる
毎月の賃貸料に含めてはならない。

[修繕費・メンテナンス費用(Repair and Maintenace)]

物件の修繕やメンテナンスは
オーナーの責任であるが、
物件に通常の消耗以上の損傷を与えた場合は
テナントの負担となることもある。

オーナーは継続的に
賃貸に出すために適切な修繕と
改装をおこなって物件を
良好な状態に保つ必要がある。

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