エキセントリックボヘミアン、伊田武蔵

「稼ぎながら世界を放浪」

誰でも一度ぐらいは
そんな生活に憧れたことが
あるのではないだろうか?

だが、

仕事、家族、学校、恋人、世間の目、

いろいろなしがらみの中で
多くの人には縁の遠い生活だろう。

2010年も押し詰まった師走の神田。

副業が会社にバレて
年内で退職を余儀なくされた
元同僚の真田孔明がメルマガの
読者を集ってちょっとした
会合と食事会をやった。

そこで出会った坊主頭の青年。

会合にはアフィリエイトなどの
インターネットビジネスで収入を得ていたり、
それを目指している人が参加していたが、
彼もその一人だった。

数年前に勤めていた
ブラック企業のパワハラに苦しみ
人との付き合いにも疲れていた彼は
組織に頼らず自分一人で稼いでゆく方法として
インターネットビジネスに取り組んでいた。

二、三言、言葉を
交わしただけだったが
なぜか強く印象に残っていた。

翌年の4月に澳門(マカオ)に
取引先を訪れたとき、
ばったりその会議室で出くわした。

聞けば年が明けてすぐに
マレーシアのジョホールバルに
引っ越したという。

ビジネスは軌道に乗っており、
暮らして行くにも苦労のない
レベルの収入があったが、
彼を縛るような何かが
日本にあるわけでもなかった。

パソコン一台持って行けば
いつでもどこでも仕事ができる
というのがこのビジネスの特性でもある。

英語も
ほとんどわからない状態で
ビザも取得せずにいきなり
外国に住みついてしまったという
一風変わった行動も彼の飄々とした
姿を見ていると不思議に違和感がない。

その後もあらゆるところで
交錯することになったが、
そのうち彼はマレーシアから
フィリピンに移り住み、
やがて棲み家を引き払って
身一つで世界を放浪するようになった。

アジア、ヨーロッパ、北米。

フェイスブックやメルマガ、ブログ、
彼の発信するメディアでは毎日違う場所で
目覚めて活動をする様子がうかがえる。

僕がこの記事を書いている時点では
ルーマニアにいるようである。

だが、もちろん
彼は世捨て人のような
ただの放浪者ではない。

そんな暮らしの間にも
着実にビジネスと投資を拡大させ、
住む家がないとは言いながら
タイやフィリピンにコンドミニアムを
保有するオーナーだったりする。

生活基盤をしっかりと
踏み固めながらも気の赴くままに生きる。

伊田武蔵。

IT時代が生んだ風変わりなボヘミアンである。

http://ijuusya.com/road.html

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