現在進行形の日本人投資家伝説

2017年5月10日。

ソフトバンクグループが
2016年4月〜2017年3月期の
決算発表をおこなった。

売上高が
前年同期比0.2%増の8兆9010億円、
本業の利益である営業利益は1兆260億円、
当期純利益は前年から3倍にあたる1兆4263億円。

本業以外では
中国のECプラットフォーム

「アリババ」

の保有株式の売却益などが大きく貢献して
初の最終利益1兆円超えを記録したことになる。

1兆円の純利益を達成したのは
トヨタと三菱UFJファイナンシャルグループしかない。

裸一貫で起業した創業者が
現役のうちにこのレベルに達するのは驚異的である。

ソフトバンク創業者の
孫正義社長は事業家としてだけではなく
投資家としての手腕の評価も高い。

決算資料を見てみると
ソフトバンクの過去18年間の
累計の投資額はUSD110億で
累計のリターンはUSD1,750億で
15倍以上の収益率を誇るという。

IRRは44%。

世界のトップクラスの
ヘッジファンドでも
IRR15%程度だとのこと。

企業経営者でありながら
今活躍している多くの
有名投資家やファンドマネージャーという
専業の投資家を凌いでいることにもなる。

ただ売買することもできるし、
必要があれば自分が経営に参画して
業務改善をしてゆけるのは
経営者と投資家の両面を持つ強みだ。

孫社長の最初の
まとまった資金は
アメリカ留学中の学生時代に発明した

「音声付き自動翻訳機」

の権利をシャープに
売り込んで得た1億円だという。

日本帰国後の1981年に
ソフトバンクの前身となる会社を設立、
IT時代の到来を見越して
ソフト販売や出版事業を手がける。

1995年11月、
アメリカのYahoo!に出資した金額は
USD200万(当時の為替レートで2億円)

Windows95が発売されて
インターネットが爆発的に
普及する前夜における
ネット検索エンジンへの投資は
まさに先見の明といえる。

Google創業の3年前のことである。

日本法人の
ヤフージャパンの投資額はUSD6800万、
2017年現在の時価総額はUSD120億だ。

アメリカのYahoo!は
Googleによって駆逐されたが
ヤフージャパンは日本では
圧倒的な地位を占めるポータルサイトである。

創業翌年の2000年に
20億円を出資した中国のアリババは
その後急成長を遂げて
2014年にはニューヨーク証券取引所に上場、
その時点でソフトバンクは8兆円の含み益を獲得。

2006年に携帯会社の
ボーダフォンの日本法人を2兆円で買収、
これが現ソフトバンク株式会社
(本社の旧ソフトバンク株式会社は
ソフトバンクグループ株式会社に改組)
のメインの事業。

2012年には
アメリカ第3位の電話会社である
スプリント・ネクステルを1.8兆円で買収、
第4位のT-Mobileも買収して米国において
AT&T、ベライゾンに対抗する
第三勢力になることを目指したが
米当局の意向により計画が頓挫して苦しんだ。

しかしそのスプリントも
孫氏自身が陣頭指揮をとって
ネットワークの改善、コスト削減をおこない、
加入者増に漕ぎつけ昨年は黒字転換、
今年はフリーキャッシュフロー
(企業本来の営業活動により
獲得した営業 キャッシュフローから、
現事業維持のために投資にまわした
キャッシュフローを差し引い たもの)
を生むに至ったという。

2016年9月には
英国の半導体企業ARMを3.3兆円で買収。

ARMは2015年の
売上高は1791億円、
税引後利益は578億円という規模なので
業績がこのままなら回収に50年以上かかる。

今後普及してゆくであろう

「IoT(Internet of things:モノのインターネット化)」

により窓枠から靴、
メガネに至るまでチップを
搭載する世の中が到来するので、
その設計力で世界のスマホの99%に
チップを供給しているARMは爆発的な
成長を遂げるという見込みのもとに
おこなった投資である。

インターネット黎明期のYahoo!買収、
中国でのインターネット普及の波に乗った
アリババ級の投資収益を狙える
可能性もはらんでいるかもしれない。

最近の孫社長の
M&Aは簡単に兆単位の金額が
出て来るので感覚がおかしくなるが
スロベニアとかブルガリアの国家予算が
だいたい2兆円ぐらいである。

そのため
ソフトバンクグループの有利子負債は8兆円、
仮に金利が1%であれば
年間800億円の利払いが発生する規模。

スロベニアを4年運営できる
金額の借金をしているということだ。

2015年3月の
有利子負債は6兆円だったので
2年間で2兆円の借金を増やしているが、
ソフトバンクグループの企業価値は
同期間に18兆円から25兆円に7兆円増えているという。

しかも今後も進行する
情報革命の勝者となるため、
さらにM&Aをおこなうための資金として

「ソフトバンクビジョンファンド」

というファンドを設立し、
ソフトバンクが2.5兆円、
サウジアラビア(PIF)から4.5兆円の他
アップル、クアルコム、
オラクル創業者のラリー・エリソン事務所などからも
出資を受け10兆円程度の資金を調達するという。

事業と金融を駆使して
1億円の手元資金を38年で25万倍にした
投資の傑物の動向を今後も注視したい。

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